難聴とは聴覚が低下した状態のことで、突発性難聴、騒音性難聴などがあります。
耳鳴りをともなうこともあります。
あるとき突然に耳が聞こえなくなる病気です(通常片側)。
突発性難聴の原因はまだわかっておらず、急激に発症する感音難聴のうち、原因不明のものを突発性難聴と呼んでいます。
突然に耳が聞こえなくなる(高度の難聴)と同時に、耳鳴りや耳が詰まった感じ、めまいや吐き気を生じることもあります。
めまいは約半数の患者さんに認められますが、良くなった後にめまいを繰り返すことはありません。
また、突発性難聴では耳以外の神経症状(四肢の麻痺や意識障害など)が認められないのが特徴です。
発症が突発的であることから、ほとんどの患者さんが発症の時期やそのときの状況を覚えていることが多く、早期に治療を開始すれば聴力回復の可能性が高くなりますので、早期の受診・治療が大切となります。
突発性難聴の発症前に精神的・肉体的疲労感やストレスを感じていることが多く、心身ともに安静にして、ストレスを解消することも大切です。
急性期の治療としては、お薬(ステロイドを含む)による治療、高圧酸素療法などがあります。難聴の程度によっては入院治療が望ましい場合もあります。
騒音下での職業など、長期間騒音に曝されているうちに、徐々に進行する難聴を騒音性難聴と言います。
爆発音やロックコンサートなど、強大な音のために急性に起こる難聴は音響外傷です。
3,000ヘルツ以上の高音成分のほうが傷害を起こしやすいのですが、主に傷害を受けるのは内耳(耳を外・中・内の3つに分けたときの最も内側にあたる部分で、蝸牛と前庭・三半規管からなる)の有毛細胞(音を感じとる細胞)です。
音響外傷では、音源に近いほうの耳だけに起こることがありますが、騒音性難聴では、両耳がほとんど同程度の難聴になります。
同じような騒音環境にいても、騒音性難聴になるかどうかに関しては個人差が大きく、難聴になる人とならない人がいます。
症状としては多くの場合、難聴に加えて耳鳴りをともないます。
大きな音を聞くと音が割れてやかましく聴こえ、言葉の弁別も悪くなる特徴があります。
治療としては、急性に起こった音響外傷では、ステロイドが有効です。長期間の音響被ばくで生じた騒音性難聴では、ダメージを受けた有毛細胞を元に戻すことは、現在の医療では出来ません。
将来に向けて難聴の進行を避けるためには、遮音性の耳栓を使用する、長時間の音響被ばくを避ける、ときどき耳を休ませる、規則正しい睡眠や適度な運動を心がける、などが大切です。
また、定期的に聴力検査を受けて難聴が進行していないかどうかを確認することも必要です。
医療法人社団石和会
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